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握手15秒に6200円!?Leadの最近のエグい接触商法について

13年目のベテランアイドル、Leadって?

Lead:ライジングプロダクション(旧Vision Factory)所属の男性アイドルユニット。路上ライブを経て、DA PUMPw-inds.の弟分として、2002年にデビュー。

lead.tv

 

私は現在ライジング所属の男性アイドルグループ「Lead」のファンですが、いわゆる「出戻り」というやつです。

Leadはデビューしてすでに13年の中堅~ベテランアイドルですが、私が彼らに熱を上げたのはデビュー当時、つまり13年前のことです。その後徐々に「Leadの曲もダンスも面白くない」と思い始め、勢いのあったジュニア時代のKAT-TUNへ傾倒したり、AKB48の立ち上がりにワクワクしたりしているうちに、Leadのことはすっかりどうでもよくなってしまいました。
その後もたまにLeadの新曲が出るとチェックしていましたが、数年に1度くらいのペースで「もしかしてもう解散したのかな?」と思い出してハッとし、公式ホームページの存在を確認して「よかった、まだ生き残ってた…」と安堵するくらいの疎遠さになっていました。


そのうちアイドルを応援すること自体どうでもよくなってきたのですが、そんな私をアイドル界に連れ戻したのがLeadでした。

そして同時に、後述する彼らのあまりにエグイ「接触商法」を知ることになり、アイドルが生き残るために必要なことについて、私にしみじみと考えさせてくれたのでした。

 

デビュー10年目で見せたLeadの矜持「Wanna be with you」

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私が再度彼らに注目することになったきっかけは、恐らく多くの出戻り組の方がそうであったように、「Wanna be with you」です。
このPVをたまたまyoutubeで見て、「わー!こうゆうLeadが見たかった!」と開眼したのです。そして同時に、すごく驚きました。

なぜなら、私はすでにLeadを諦めていたからです。まさか、彼らがこんなにカッコいい大人になって、こんな凛々しい姿を見せてくれるとは、まったく想像していませんでした。私の見る目がなかったということです。

デビュー10年目にして、やっと彼らはデビュー当時の少年の眩しさを乗り越え、繊細で闘志を内に秘めた大人の男性として、Leadの能力を余すことなく全力で、見せつけてくれたのです。

 

Leadは、デビュー当時からダンスがとても上手だったと思います。
その後徐々に歌唱力も上がり、ダンス力もさらに磨かれていったと思いますが、ある時期からなんとなく、彼らの曲は振付がユルくなり、彼らの売りだったはずのカッコいいダンスが減って、志向が「ファンと一緒に踊れる振付」に変化していったように思います。

それに合わせて、曲も「みんなで盛り上がる」系の能天気な曲が多くなりました。

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確かに、それはLead4人の無邪気で幼い、一見すると能天気なキャラクターに合ってたのかもしれません。

だけど、「ファンと一緒に盛り上がりたい」という考えは理解できても、それをシングル曲で打ち出してくることに対して、私としては「それじゃLeadの存在意義がないのでは?」と単純に不思議だったのです。

そうゆうのを本気でやりたかったら、そっち界隈ではもっと面白いことをガンガンやっているジャニーズのアイドルがいたから、別にLeadは必要なかったのです。


他のアイドルにはなくて、Leadだけが持っていたもの。それは、結局のところ「ダンスのクオリティ」であり、ガンガン踊りながら生歌で歌える、というライブ力に他ならなかったと思います。

 

だから振付も曲もすごくカッコいい19枚目のシングル「Wanna be with you」、そして直後のアルバムのリードトラック「Stand and fight」、そしてLead史上最高傑作だと思っている20枚目のシングル「Still」という流れは、私を完全に虜にしました。

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これこれ、これが見たかったんだ!これがLeadだよ!と、テンションが上がりまくりました。挫折を味わい、不遇の日々を過ごしながらも、Leadは決して道をあきらめることなく、10年という時間をかけて、間違いなく進化を続けてきて、そしてやっと「答え」にたどり着いたんだ、と感動しました。

つまり、10年かけてやっと彼らは、「Lead」のアイディンティティを手に入れたと思ったのです。

そして、「Wanna be with you」を契機に、長らく停滞していたCDの売り上げも上昇を始めました。

 

Leadの再起と、リーダーの脱退


そんな良い流れの中での、突然のリーダー・宏宜の卒業発表には、心底驚きました。

結果的に記念すべき20枚目のシングル「Still」が、オリジナルメンバー4人での最後のシングル曲となってしまいました。

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やっと上昇気流に乗り始めたところでの、精神的支柱でありボーカルでも中心的役割を担っていた宏宜の脱退は、あまりにショッキングなニュースでした。正直、Leadはもう解散するんじゃないかと思いました。

最近よく見かける大人数アイドルと違って、Leadは4人という決して多くない人数で、10年以上やってきたわけです。各メンバーにかかる比重や責任は重く、1人欠けただけでも致命的にバランスが崩れてしまうのではないかと思いました。彼らの持ち味であるダンスや歌も、4人から3人になることでパワーダウンしてしまうのではないか、退化を選ぶくらいなら彼らはいっそ解散を選ぶのではないかと、私はそう考えていました。

しかし残された3人は、「Leadを存続させ、上を目指し続ける」という「茨の道」とも思える選択肢を選び、言わば荒野に向かって歩き出したのでした。

 

私は最初、3人になったLeadを応援するモチベーションが保てないのではないかと不安でした。と言うよりも、残されたメンバー3人が、宏宜のいない穴を埋めることができずに、どんどんパフォーマンスの質が下がったりグループとしての一体感を失って、自滅してしまうのではないかと心配していた、と言った方が正しいかもしれません。

しかし、その後のライブツアー「Upturn2013 Leap」のライブで、彼らは私の浅はかな心配を力強く一蹴してくれました。

確かに宏宜の穴は埋めがたいものがあるけれど、3人の絶妙なバランス感覚や、歌とダンスでさらなる高みに上ろうとする強い意志を見て、私はLeadの第二章に大いなる期待を寄せたのです。

 

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Leadの第二章のゆくえは?

しかし、率直に言うと、その後第二章としてスタートを切ったLeadの出すシングルには、残念ながらちょっと期待を裏切られています。


そもそも宏宜脱退後の第1弾シングルである「Upturn」が、個人的にあまり好みではありませんでした。残されたメンバー3人にとって必要な歌だというのはわかるのですが、ファン歴が浅いこともあって、パフォーマンスを見る側として、単純に「おもしろくない」と思ってしまったのでした。

しかしこれは完全な個人の好みの問題で、売上は好調だったようです。つまり、彼らの新たな歩みは、上々の形でスタートを切ったということです。

 

その後のシングルも、売上だけ見ると、決して悪くなようです。

個人的な好みで言わせて頂くと、22枚目のシングル「Green days」の楽曲自体はすごく好きだし、ダンスも楽しめたし、23枚目のシングル「サクラ」も決して悪い曲ではないし、24枚目のシングル「想い出ブレイカー」はカップリングが良かったし、表題曲もまぁまぁ好きです。

最新シングルの「My One」は、クラシックをサンプリングしたそうです。

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いずれも、悪い出来ではないと思います。基本は爽やかで明るい曲調で、ダンスはガシガシ踊る。「J-popど真ん中で歌って踊る!」というコンセプトなんだろうな、とある程度理解できます。 メンバーが積極的に音作りや振付に関わっているのも、非常に好感が持てます。

しかし、徐々に売上げが頭打ちになって、下降を始めていることからもわかるように、この路線でいくのは年齢的にも厳しいし、競合*1もあって展望は良くないのではないでしょうか?

 

第二章スタートの「Upturn」から最新シングルの「My One」まで、毎回ワクワクしながら新曲を聞いてみて、そしてそのたびに、膝から崩れ落ちるような残念な気持ちを味わいました。完全に好みの問題だとはわかっているのですが、「今私が聞きたいLeadはこれじゃない。面白くない」という、以前Leadファンを離れた時と同じ心境に陥りました。

私にとってこれらの曲は、Leadが歌う必然を感じない曲だったのです。こうなると、せっかく「Wanna be with you」以降Leadの作る歌詞や曲の世界観に共感し始めていたのに、なんだか梯子を外されたような気分になってしまいます。Leadが「3人で同調するレベルの高いダンス」に、まずは自分たちのアイディンティティを見出したことはよくわかるのですが、そこから先の発展性が見えなくなってしまいました。

安易にEDM路線で行けばよいと思っているわけではありませんが、爽やかなポップスには少し食傷気味なのかもしれません。もう少しLeadの繊細さ、その裏の貪欲さ、泥臭い部分を見たいものです。

特にシングル曲では、もっと訴求性のある、スキャンダラスな曲を聞きたいですね。「Wanna be with you」の衝撃をもう一度Leadが与えてくれる可能性は、あまり高くはないのでしょうか…。


しかし、ライブツアー「Upturn2014 Attract」のライブが前年以上にものすごくよかったので、もうしばらくはLeadに注目し続けるつもりでいます。

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Leadのパフォーマンスレベルの高さは間違いないと思っていますので、あとはそれをどんな形で見せてくれるのか、まだ彼らに大いに期待しています。

 

Leadの最近の接触商法がエグすぎる!?

 

さて、前置き(?)が長くなりましたが、ここからが本題です。最近のLeadのCDの売り方が気になったので、表題について書きます。

 

「Wanna be with you」以降売上げが伸びたと書きましたが、実は最近のLeadは、いわゆる接触商法で売り上げを伸ばしているようです。しかもかなりエグいやつです。

シングルCD4枚のセットを購入すると一度くじ引きすることができ、ランダムにメンバー1名と15秒握手orメンバー全員と撮影ができる、というAKB48もビックリの接触商法です。つまり、メンバー1人と15秒握手するためには、6000円以上を払わなければならないということです。30秒握手するためには12000円以上、もし1分間握手したい!となると24000円以上かかります。

しかも、メンバーを指定した握手券がランダムに入っているので、目当てのメンバーと握手するためには、何度もくじを引く必要があり、何十枚ものCDを積み上げていく必要があるのです。
完全に、コアなファンを狙い撃ちにして、搾り取っています。

 

基本的にLeadのファンのドミナントは、初期の露出が多かった時代にファンになってそのまま今もファンを続けている、Leadと同年代*2のコアなファンだと思います。

だから彼女たちは①忠誠心が強く、一緒に低迷期を乗り越えてきた仲間意識が強い、②現在社会人としてそこそこキャリアがあってお金を使える、という特徴があると思います。

そんな彼女をたちを狙って、「15秒の握手」をエサに客単価を上げてCDの売り上げを底上げする、ある意味抜群のマーケティング戦略だと思いました。


また、Leadは①スキルが高く成長しつつづけているので、一度ついたファンを離さない、②知名度が低いので親近感があり、保護欲、独占欲を誘う、という、コアなファンを育てやすいアイドルだと思います。
こういったファンとLeadの親密な関係性に注目し、とりあえずLeadを延命するために、この接触商法が取られたのだと思います。

 

一時期CDが3000枚くらいしか売れなかった*3のが相当こたえたのでしょうね。

事務所の方針なのかレコード会社の方針なのかはわかりませんが、間違いなく日本有数の実力派アイドルであるLeadがここまであからさまな商法をやるとは、正直言って最初知ったときは心底ガッカリしました。
こんなファンを搾取するような真似をしてまで生き残りたいのか、とウンザリしてしまいました。
しかし途中で、私はそんな自分の考え方が、独善的で浅はかだったと反省しました。

 

卑屈になる必要はない。Leadは堂々と、接触商法を続けて良いのでは?

結論から言うと、現在私はこの接触商法を大正解とは言わないまでも十分理解できるし、このエグい商法を受け入れた上でなお、おごらず腐らず、ファイティングポーズをとり続けるLeadをめちゃくちゃカッコいいと思っています。


彼らのこの行為は、時代の流れでもはや必然だったのかもしれない、と思ったのです。

当たり前のようにAKBが握手券を売り、エグザイルがコンサートチケットを売り、ハロプロさえもチェキを売る。CDが売れない時代、誰もCDを必要としない時代、それでもいまだメディアの注目をひくためには「CDの売り上げ」「オリコンランキング」というお題目が必要で、無意味なゲームと知りながらも、彼らは皮肉を言ってリングから降りるのではなく、「そこにチャンスがあるなら」と、矛盾を受け入れて真正面から戦うことを選んだ、だからこそこの接触商法なのだ、と理解できたのです。

 

コアなファンというのは、恐らくライジング関係以外のアイドルでも同様だと思いますが、本当に忠誠心が強くて胸を打たれます。

彼らのファンをLeadは「Leaders」と愛情をこめて呼びますが、このLeadersの中でも精鋭であるコアなファンたちが、彼らのイメージにそぐわない過剰な接触商法を受け入れて、Leadの売り上げを支えようとする健気な献身と、それに心から感謝し、何とかそれ以上のものをパフォーマンスで返そうとするLeadの姿は、感動的でさえあります。


Leadのライブを見れば、いかに彼らがファンへ「恩返し」をしようとしているのか、よくわかります。

握手任せで適当にヘラヘラやっていたら、とてもあんなライブはできないでしょう。日々の研鑽が、ステージの端々にはっきりと表れています。彼らの報われない、行き場のないパワーが荒れ狂うような緊張感あふれるステージが、私を興奮させると同時に、もの悲しい気持ちにもさせます。


アイドルにとって、「売れる」ということの大切さを、しみじみと感じます。

自分の好きなものを創造する「絶対評価」の世界に生きるアーティストとは違って、アイドルは世間に受け入れられ、より多くの人を楽しませ、大衆に支持されなければなりません。アイドルは、「売れる」ことが正義であり、売れて初めて、その存在を認められるのではないでしょうか。

AKB48だって、売れなければただの「素人集団」だし、ももクロはただの「イロモノ」、嵐はただの「童顔のオジサン」だったかもしれません。売れたから彼らは認められ、時代を象徴するスターになった。売れることが彼らの最大の評価であり、存在意義になっているのではないでしょうか。

だからこそLeadには、どんなにカッコ悪くてもいい、しがみついていて欲しい、と切に思います。そして今後も何年も、できるだけ長く、この世界で生き続けて欲しいものです。ちょっとセンチメンタルな言い方になってしまいますが、彼らほど真摯で真面目なアイドルを、私は他に知りません。過剰に握手することで、彼らの価値が下がるとはとても思えません。

 

「売れる」ことと、「真摯にパフォーマンスのレベルアップをはかる」ことは、全く別のベクトルの問題です。売るための戦略を持つことは、全く悪いことではないと思います。むしろ今の時代、売るための戦略に知恵を絞ることが重要になってきています。*4

何かのきっかけで、一度「売れる」ことさえできれば、Leadは一気に飛翔することができるし、世界は大きくひっくり返るはずです。決してあきらめないで欲しいと思います。

 

接触商法に生き残りをかける、Leadの今後は?

理想論を書いてきましたが、しかし正直に言ってしまうと、今後Leadに本当の意味で新しい、新規のファンが爆発的に増える可能性はあまり高くないでしょう。

現在のファンの大多数が、デビュー当時の露出が多かった時期についたファンだと推測できることから、今後もLeadはこのコアなファンを大切に囲い込み、売り上げを落とさないようにエグイ接触商法を続けていく他ないと思います。


一般的には、一度接触を始めてしまうと、どんどんファンからの要求が高くなっていくものです。

Leadでも今後はハグ会やバスツアー等、ファンとの距離をさらに縮めるイベントが企画されるかもしれません。

そんな時、ファンはLeadの存在の近さを喜ぶと同時に、「憧れの存在であるはずのアイドルとの距離感」に戸惑うだろうし、Lead自身もファンとの触れ合いを喜びながらも「本当にこのやり方でいいのか?こんなことをやるために東京へ来たのか?」と自問自答に苦しむかもしれません。

 

だけど、「このやり方でいい」のだと私は思います。

歌い踊り続けること、そしてどんな方法でも少しでも成功のチャンスがあるなら決して厭わずに、可能性を信じてしがみ続けること、それが今のLeadにとって最も重要なことではないでしょうか。


と言うより、私が書くまでもなく、すでにLeadは腹をくくっていると思います。「Stand and fight」や「Still」の歌詞等で、すでにメンバーは私たちに答えをくれています。
どんなにカッコ悪くても、みじめでも、飛翔を信じて、「この道で行く」と。

 

蛇足ですが、輝の作曲能力は予想以上に高かったです。本当に驚きました。個人的には「walk」が好きですね。
是非今後もコンスタントに曲を作り続けて、研鑽を積んで欲しいです。いつかそれがLead飛翔のきっかけになるのでは、と密かに期待しています。

私に言われるまでもないでしょうが、頑張ってください。

*1:若手のジャニーズ関係など

*2:26歳前後

*3:15枚目のシングル「Sunnyday」の売上は3348枚とのこと。2011年にはとうとう、次のシングルがオリコン10位以内に入らなかったら解散、という最後通告を出されたこともあったとか。

*4:ライジングは本気でマーケティングのコンサルを入れるべきだと思います。